一人一党党

一人一人の、一人一人による、一人一人のための政治制度を!

2019年参議院選挙に於ける「一人一党党」視点での各党の評価

参議院選挙も近いので、全国比例区に立候補している各党の政策を、我が「一人一党党」の興味、つまり選挙制度統治機構に絞ってまとめてみた。

政治的ねじれ現象など統治機項の問題に触れたのは、日本維新の会幸福実現党だけ。
まあ、これを解決するには、多数決の仕方を「賛成・反対」から「選択肢A,選択肢B,選択肢C,...」に変えねばならないだけでなく、憲法の定める議会・内閣の関係にも手を入れねばならない。
すると、政権をとるだけではなく憲法改正もしなければならないから、実現のハードルがとても高い。
各党が公約にできないのは無理からぬ所か。

選挙制度については、やはり、現行制度への特化が激しい主要政党にとっては、触れたくないもののようだ。
対して小政党・確認団体はどうかというと、さすがに小選挙区制を目指す団体はないようだが、幸福実現党オリーブの木構成員が中選挙区制を唱えていて、見てられない。
中選挙区制」が指すものを、この人達は分かっているのか甚だ疑問。
仮に1994年までの日本の選挙制度とするなら、一つの選挙区で当選できる人数は最大でも6人までで、7位以下の票は死ぬ。
8位以下になろうものなら泡沫候補のループに嵌るが、この人達は7位以上に滑り込む自信、いや、過信があるのだろう。
あるいは単に、選挙制度の恐ろしさを自覚していないのか?
1994年の選挙制度改正の破壊力を身を以って学んだはずの、社民党の公約は呆けてしまった。
そんな中、選挙制度に対する感性が一番鋭いのは労働者党のようだ。
共産党の主張する半端なブロック制すら許さない。

総じて、「一人一党党」の政策に最も近いのは、労働者党のようだ。
彼ら・彼女らに勝利あれ。

以下、ネタ元。
我が党に興味の無い人でも、各党の公約入手先として参考になるかも。

幸福実現党
2019年5月主要政策
http://publications.hr-party.jp/files/policy/2019/001/origin/all.pdf
「116
政治への新規参入の障壁となっている公職選挙法や政党助成法などを見直して、競争条件の公平化を図ります。

衆議院選挙制度については、死票が多いなど弊害のある小選挙区制を廃止し、中選挙区制に改めます。

118
参議院の廃止により、国政における意思決定の迅速化を図ります。
二院制を維持する場合は、参議院に「 廃法府」としての機能も持たせ、衆議院との機能分化を行うとともに、不要な法律や規制の廃止を進めます。

中選挙区制」を目指す、自信過剰な党。
統治機構について触れているところは立派だが、衆参両院のうち参議院の方を廃止するという、二者択一のうち間違った方を選んでいる。
解散総選挙中は、残った唯一の立法府である衆議院は空っぽになる。
この時を狙って有事を仕掛けられたら、超法規的措置に頼るしかない。
半数改選の参議院では、総選挙中も議員が半分残っているから、一院制の元で総選挙中でも、このような隙は生じない。

日本共産党
https://www.jcp.or.jp/web_policy/2019/06/2019-bunya44.html

衆議院選挙制度について、小選挙区比例代表並立制を廃止し、民意を正確に反映する比例代表制への抜本改革を行います。議員総定数は元に戻し、全国11ブロックを基礎とした比例代表制にすることを提案します。
参議院議員選挙制度について、総定数の削減は行わず、多様な民意が正確に反映される比例代表を中心とした選挙制度にすることを提案します。

政党助成金をもらう資格がありながら、助成制度の存続だけでなくもらうのも拒否し続ける筋金入りのこの政党がなぜ、衆議院には死票が増えるブロック分割を主張するのか理解できない。

社民党
http://www5.sdp.or.jp/election_sangiin_2019

得票率と議席率の乖離をなくし、多様な民意が反映するよう、比例代表を中心とした選挙制度に抜本改革します。

「…を中心とした」とか言葉を濁すとは、選挙制度について、理想像を持っておらず党利党略の妥協案としか理解できないからか?

・労働の解放をめざす労働者党
http://wpll-j.org/sinntoukouryoukiyaku.html

七、社会主義の勝利と共に、あるいは社会主義をめざす闘いの過程で勝ち取るべき、労働の解放をめざす労働者党の具体的な要求

3、不正で、不公正な現行選挙制度と議会運営の根本的で、徹底的な民主主義的改革の実行。

労働者、勤労者の意思が正確に表現される選挙制度の実現。一切の選挙参加及び選挙運動の規制の原則的撤廃と、労働者の自由な政治闘争の保障。小選挙区制の廃止と全国単一比例代表制の実施。衆参共に、自由で無制約の政党及び個人の選挙参加制の実現。腐敗大政党にのみ有利で、民主主義の精神に根底からもとる、不当不正の供託金制度、政党助成金制度の即時廃止。

「七 具体的な要求」には18の項目があるが、そのうち3番目にこれを持ってくるほど、この党は選挙制度・議会制度を重要視している。

オリーブの木
https://oliveparty.jp
この党は、さらに小さな複数の党の連合体であり共通政策を掲げているが、そこには選挙制度が全く触れられていない。
恐らく、戦犯は「護憲保守政党・平和の党」だ。
基本政策 | 平和の党
https://heiwanotou.com/basic

国会議員の定数と歳費削減
中選挙区制の復活
議員の文書通信交通滞在費の削減と公開
議員年金復活反対、企業団体献金の禁止

望み通り中選挙区制が復活した暁には、オリーブの木は改選議席を失うと思う。

・れいわ新選組
選挙制度・議会制度に関する政策が見つかりません。
知っている方が居られたら、コメント下さい。

NHKから国民を守る党
安楽死制度を考える会
党名から言って、選挙制度についての政策は期待できない。

公明党
https://www.komei.or.jp/campaign/sanin2019/_assets/pdf/manifesto2019.pdf
選挙制度についての言及が見つからない。

自民党
https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/pdf/manifest/20190721_manifest.pdf

選挙人の投票機会を確保するため、郵便等投票制度の対象者の拡大を図ります。
また、幅広く意見を聴きながら被選挙権年齢を引下げの方向で検討するとともに、選挙運動規制等の公選法全般の見直しも進めます。

現行制度(小選挙区比例代表並立制)を変えるつもりはないようだ。

・国民民主党
https://www.dpfp.or.jp/assets/election2019/downloads/pamphlet_20190613.pdf

3. 議員定数削減と参議院選挙制度見直し
国民民主党が提出した参議院議員の定数を6減らす法案の成立を目指します。
衆参両議院のあり方を踏まえ、合区解消など参議院選挙制度の抜本的見直しを行うとともに、国会議員の定数削減など身を切る改革を進めます。

「全国一区」や「道州ブロック」ではないことから、「合区解消」が意味するのは一票の格差の問題が大きくなる「鳥取・島根や徳島・高知の分離」ということか!?
北海道民に嫌われるのは確実。

立憲民主党
https://special2019.cdp-japan.jp/rikken_vision_04/

民意が多様化・複雑化した現在の社会に対応するためには、一人ひとりの現実に真正面から向き合う政治が必要です。
参加民主主義を促進することで、多様な声を受けとめるための仕組みをつくります。
熟議に不可欠な情報やデータを厳重に管理し、情報公開の徹底と国会による行政の監視を強化します。
○20歳から立候補できるよう被選挙権年齢引き下げを行い、立候補休暇制度を創設します。

単記非移譲式投票や小選挙区制のまま被選挙権を広げたら選挙結果がどうなるか、被選挙権を広げる効果があるのか、この党は分かっていないのか?
それとも、小選挙区制の方が自分たちには有利だと信じる民主党時代の傲りか?

日本維新の会
https://o-ishin.jp/sangiin2019/common/img/manifest2019_detail.pdf

1. 身を切る改革・徹底行革、国会改革~小さく合理的、効率的な行政機構に~
(14)選挙制度改革(被選挙権年齢を 18 歳に引下げ)

7. 統治機構改革
(1)地方分権(道州制)・(究極的には)一院制・首相公選制
(2)大阪都構想の実現。グレーター東京構想を
(3)東京・大阪のツインエンジンを先頭に自立分散型国家へ
(4)消費税の地方税化。交付税制度等の見直しにより地方共有税の創設
(5)内閣の機能強化(予算編成権・組織編成権の内閣への一元化)
(6)参議院の抜本改革(自治体首長と参議院議員の兼職禁止規定を廃止)

被選挙権拡大については、立憲民主党と同じまちがい。
一院制・首相公選制」は「衆参のねじれ」とは別のねじれ現象「首相と院を別々の政党が獲る」が生じる。
アメリカなど大統領制の国々では時々起こるし、日本の地方自治体も首長と議会を別々に選挙するから、このタイプのねじれ現象が見られる。
当会の母体である大阪維新の会地方自治体に長く関わっているはずなのに、「首長と議会のねじれ」を気にしないのか?